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▶ うちの猫がてんかんになった #4|投薬1ヶ月。消えない発作と甘えるルイ。
※この記事は、うちの猫がてんかんを発症した当時に日記として書き残していたものを、ブログ用に少しだけ書き直した記録です。
止まない嵐と、新しい処方箋
結局、嵐は止んでくれなかった。
前回病院へ行ってから、わずか5日後に全身発作。
それから2週間後の朝、また激しい波がルイを襲い、その夜には顔まわりをガチガチと震わせる軽めの発作。
さらに10日後の朝にも。
| 発作がなければ超元気!なぜ!? |
カレンダーに書き込まれる「発作」の文字が、じわじわと私の心の余白を削っていく。
「これは、良くなっていないな」
認めざるを得ない現実を抱えて、もう一度病院の門を叩いた。
先生と一緒にこれまでの記録を振り返ると、ある法則が見えてきた。
発作が起きるのは、いつも早朝か夜。
ちょうど、薬を飲む時間の前後だ。
「血液に溶け込んだ薬の濃度が下がるタイミングで、脳の嵐が隙を突いてくるのかもしれない」
そこで、これまでは1日2回だったジアゼパムを、3回に増やすことになった。
8時間おき。
朝の4時、昼の14時、夜の22時。
「私、ずっと家にいますから、大丈夫です」
診察室では、迷いなくそう答えた。
ルイを守るためなら、なんてことはない。
自由を奪う「1日3回」の鎖
けれど家に帰って、リビングのソファに深く沈み込んだとき、
気づいてしまった。
「……あれ、これ、無理じゃね?」
平日はいい。
家で仕事をしているから、14時のアラームが鳴れば手を止めて、ルイに一粒運べばいい。
でも、問題はそれ以外の時間だ。
私は基本、ぼっち主婦だ。
もともと家が好きだし、ルイと一緒にいられるのは幸せだ。
けれど、そんな私だって、ごく稀に友達とお茶をすることくらいはある。
それに日常的に、ちょっとした買い物にだって行きたい。
14時にお薬がある。
そうなると、お茶どころか、スーパーに行くタイミングすら「14時までに帰れるかしら?」
を計算しなきゃいけない。
たった数時間の外出ですら、自由が利かなくなる。
さらに追い打ちをかけるように思い出した。
少し先に予定している、舞台の観劇。
これは夫と二人で行くことになっている。
つまり、二人とも日中家を空ける。
まずい。
まずいぞ。
ルイに薬をあげることができない。
でも、楽しみにしていた舞台も、日々の小さなお出かけも、全部諦めて家の中に閉じこもるしかないんだろうか。
どうすればいいんだろう。
暗い海に沈んでいくような気持ちでスマホを叩いて見つけたのが、とある自動給餌器だった。
早速ぽちると、翌日にはわが家の玄関に届けてくれた。
爆速の神よ、ありがとう。
我が家にやってきた「宇宙船」
購入した自動給餌器は、6つのトレイに分かれた本体に蓋をかぶせると、まるで丸い宇宙船のようだった。
設定した時間になると、トレイが回転して、次の食事が現れる仕組みになっている。
これなら、トレイにご飯やおやつを入れ、そこにお薬を混ぜておけばいい。
保冷剤も入れられるから、中身が傷む心配も少ない。
肝心のルイはというと、最初はいつもの器が突然現れた「謎の円盤マシーン」に、ちょっとびびっていた。
| 円盤をいぶかしがるルイ |
けれど、それも最初だけ。
数回そこから食事をすると、あっという間にその仕組みを理解したようだった。
健気な「すたんばい」と、静かな祈り
最近では、時間が近づくと、まだ動いてもいない自動給餌器の前で静かに「すたんばい」している姿を見かけるようになった。
| 健気すぎる猫ルイ |
| ずっといる… |
じっとその時を待つ、まるい背中。
その健気すぎる姿を見ていると、手ずからご飯をあげられない申し訳なさと愛おしさが混ざり合って、なんとも言えない気持ちになる。
| 円盤(の中に入ってるもの)に恋してるルイ |
けれど当のルイは、ただ「おいしいものが出てくる魔法の箱」として、わくわくしながらその時を待ち構えているだけなんだろう。
ウィーン、という小さな駆動音とともに、新しい時間が動き出す。
私はスマホのアラームを解除して、ルイが夢中でご飯を食べる音を、ただ静かに聞いている。
1日3回、薬をあげる環境は整った。
あとは、このまま発作が安定してくれることを願うばかりだ。
ルイとの暮らしのことは、こちらにまとめています。
シャルトリューのルイと暮らす毎日|記事まとめ
