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| 画像生成:Gemini |
「在宅は気楽でいいね」と言われるたびに言葉に詰まる。
乳がんという病を抱え、
自分を守るために逃げ込んだ在宅ワークというシェルター。
監視ツールや孤独、
オンオフの切り替えに悩みながらも、
わたしがこの働き方に満足している理由。
わたしは今、
自宅でフリーのオンライン秘書をしている。
以前は毎朝オフィスに通勤する会社員だったのだが、
精神的にも体力的にも限界を感じて、
その場所を離れた。
実は、わたしは乳がんサバイバーだ。
以前の職場ではそのことをオープンにしていたけれど、
それがかえって自分を追い詰める結果になってしまった。
▼乳がんに関する記事はこちら
わたしの乳がん備忘録 | 記事まとめ
だからこそ、
あえて深い人間関係を必要としない短期のパートをしていたんだけど、
どこへ行っても「前はどうして辞めたの?」「お子さんは?」と、
ねほりはほり聞いてくる人は一定数いた。
その時間がつらくて、
わたしは誰にも自分のことを説明しなくていい
「在宅ワーク」というシェルターに逃げ込んだ。
念願だった在宅フリーランス
通勤時間は0分だし、
自分の思い通りの時間に働ける。
急な休みや中抜けも自由。
誰にも会わなくていいこの環境は、
わたしにとって間違いなく救いだった。
でも、
実際になってみて初めて
「在宅での仕事って大変なんだな」と痛感したことがある。
手に入れた自由の代償は、想像以上にシビアだった。
1. 1分1秒を刻む、見えない鎖
「家で仕事をしていると、自分のペースで仕事ができていいね」
友人や知人にそう言われるたびに、
わたしは言葉に詰まってしまう。
ぶっちゃけ、
会社員として働いていた頃の方が、
よっぽどマイペースに動けていたと思う。
なぜなら、
今のわたしのPCには動作を監視するツールが入っている。
もちろん、
こうしたツールの有無は、
クライアントやエージェントにもよりけりだ。
けれど、
わたしの今の働き方は、
この「見えない目」と共にある。
このツールは、
わたしのクリックや画面遷移をすべて記録している。
一定時間動きが止まれば、
「稼働していない」とみなされる。
会社員時代の何気ない雑談や、
窓の外を眺めた数分間の「余白」。
今のわたしには、
そんな時間は一秒もない。
「動いていないと、お金にならない」という強迫観念は、
在宅フリーランスとして働くわたしを、
オフィスにいた頃よりもずっと窮屈に縛り付けている。
2. 姿が見えないからこその「もどかしさ」と、最大の矛盾
シェルターの中も、
決して平穏なことばかりではない。
画面越しに届くチャットの音は、
時にわたしの心をそわそわと波立たせる。
オフィスなら背中で察してもらえる「集中している空気」も、
チャットの世界では伝わらない。
メッセージは相手のタイミングで自由に届き、
忙しい時に積み重なると、
追いかけるだけで息が切れる。
無機質に積み上げられていくメッセージの山を見ていると、
ふと強い孤独に襲われる。
人間関係を構築するのが嫌でこの仕事を選んだはずなのに、
今、その「つながり」の希薄さに傷ついている。
それは、
在宅ワークという道を選んで知った、
最大の矛盾かもしれない。
3. 消えていく「外」の顔、失われる潤い
家にいるから、
化粧もしなくなった。
オンライン会議はあるけれど、
それはいつも「音声のみ」。
カメラをオンにすることはない。
誰かに会うわけでも、
顔を見せることもない。
それは楽なはずなのに、
ふと鏡を見ると、
社会から切り離されたような寂しさに襲われる。
かつては面倒だと思っていた
「身なりを整える」という行為が、
実は自分と社会をつなぐ大切な儀式だったのだと、
在宅フリーランスになって失ってから気づかされた。
4. 霧のように溶けていく「オン」と「オフ」――在宅ワーク最大のネック
そして、
これが在宅ワークの最大のネックだと感じているのが、
仕事と生活の境界線が消えていくことだ。
仕事をする場所と、
寝る場所が同じ。
だからこそ、
忙しい時などは、
PCを閉じてからもずっと仕事のことが頭から離れない。
家事をしていても、
お風呂に入っていても、
布団に入ってからも、
休日でさえもーー
頭のどこかで「次のタスク」や
「未返信のチャット」を追いかけ続けてしまう。
霧が立ち込めるように、
いつの間にか仕事のストレスが寝室まで侵食してくる。
誰にも干渉されない自由の裏側で、
わたしは自分自身の「オン」と「オフ」を
切り替える術さえも見失いそうになる瞬間がある。
それでも、会社員に戻るつもりはない
「自分を説明しなくていい」という平穏と引き換えに、
わたしは自分の「動き」を管理される道を選んだ。
外の世界で「ねほりはほり」聞かれるよりは、
画面越しの監視の方がまだ耐えられる。
正直、
これが「楽な仕事」だなんて、
口が裂けても言えない。
ひりひりとした、
これが今のわたしのリアルだ。
けれど、
いろいろな葛藤を抱えながらも、
わたしはこの働き方に心から満足している。
在宅という道を選んだからこそ、
わたしは妊活にも全力で挑むことができた。
そして何より、
大切な愛猫ルイがてんかんを患ったとき、
一番近くでずっと寄り添ってあげることができた。
もし外で働いていたら、
きっとそんな時間は約束されていなかったはずだ。
誰にも侵されない静かな部屋で、
監視ツールの視線を感じながら一分一秒を刻んでいく。
その孤独なシェルターは、
わたしと、
わたしの大切な家族を守るための、
優しくて力強い砦(とりで)なのだ。
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