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| 画像生成:Gemini |
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去年の夏、愛猫のルイがてんかんを発症した。
突然のことにわたしの心はかき乱されて、どうしようもなくざわついていた。
震えるような不安をどこかに逃がしたくて、わたしはかぎ針を手に取った。
一番最初に編んだのは、ダーラナホースのエコたわし。
不器用なはずの自分の指先から、確かな形が生まれてくる。
その小さな手応えが、壊れそうだった心を少しずつ、静かな場所へと連れ戻してくれた。
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| はじめて誰にも頼らず編んだ作品……わたしの編み物ブームはここから始まった |
それからルイのための首輪、自分用のトートバッグ。
無心に編み進めるうちに、わたしの周りには手仕事の温かさが溜まっていった。
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| 編み図を間違って理解してて、何度もやり直した猫の首輪 |
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| 模様編みにも挑戦! |
そんなわたしの様子を聞きつけた姉が、ある日一冊の編み物の本をくれた。
開いてみると、そこに載っていたのはほとんどが棒針編みの作品。
「編み物といえば棒針だよな」
ドラマや漫画で見る、あの2本の棒をカチカチさせる光景。
ずっと憧れはあったけれど、針が2本あるだけで急に難易度が跳ね上がる気がして、なかなか手が出せなかった。
でも、ページをめくるたびに目に飛び込んでくる、柔らかそうなニットの質感。
眺めているうちに、わたしの中に「これを自分の手で編んでみたい」という、小さくて強い好奇心が芽生え始めていた。
ステップ1:基礎の「き」を学ぶ(1〜2ヶ月目)
9月、意を決してフェリシモの棒針講座を始めた。
▼わたしが棒針編みを習っている講座はこれ
はじめてさんのきほんのき 棒針編みレッスン
この講座を選んだのは、必要な棒針も糸もすべてセットになっていて、自分であれこれ準備する必要がなかったから。
初心者は「まず何を揃えればいいの?」というところで立ち止まりがちだけれど、届いたその瞬間に始められる手軽さは、何よりの助けになったと思う。
……なんて、意気揚々と封を開けたものの、さっそく大きな壁が目の前に現れた。
「作り目」がわからない: 最初の最初、針に糸をかける「作り目」のやり方がどうしても理解できなくて、早々に挫折しかけた。
【救世主、あらわる】: 隣で動画を見ていた夫が「こうだよ」と教えてくれて、なんとかことなきを得た。不器用さんは、自分一人で抱え込まずに、動画を器用な人に見せて「これどういうこと?」と聞いてみるのも一つの手だと思う。
お金をかけずに始めるなら: わたしはフェリシモを利用したけれど、YouTubeで「作り目」「ガーター編み」「メリヤス編み」と検索して学ぶのもいい。今は丁寧な動画がたくさんあるから、それだけで基礎は十分習得できるはず。
待ちきれなかった予習の日々: 初月のガーター編みが楽しすぎて、次の月のキットが届くのが待ちきれなかった。届く頃には、自分で買った教本で予習して、すでにメリヤス編みを習得してしまっていたほど。
【ひたすら、ほどく】: この頃はリカバリー(修正)の仕方がわからなくて、一目間違えるたびに全部ほどいて最初から編み直していた。
ステップ2:憧れの世界へダイブ(3ヶ月目〜)
基礎講座の途中だったけれど、楽しさが勝って三國万里子さんの世界に飛び込んだ。
思い切って輪針セットを買い、**「青マフラー」**を編み始めた。
▼ 本に載っている青いマフラーに恋をして、わたしの棒針編みは始まりました。
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リカバリー知らずの「女は度胸」: 編み始める時点では、まだミスの直し方なんてこれっぽっちもわかっていなかった。けれど「なんとかなる」と自分に言い聞かせて編み始めた。
変わりドライブ編みの魔法: 複雑そうに見えるこの編み方、実は「ほどいた時に目が大きくて見えやすい」という、初心者には嬉しい特徴があった。
リカバリーの習得: 失敗してほどいた後、どうやって針を戻せばいいのか。こう拾ったら「ねじり目」になってしまう……。マフラーを一本編み終える頃には、指先が構造を理解していた。
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| 毎日編み編み。さりげなく見守るルイ |
ステップ3:自分の「苦手」を認めて、賢く選ぶ
マフラーを編み終えて、次に何を編もうかワクワクしていたわたしが選んだのは、小さな目薬ポーチだった。
すぐに編めるだろうと軽い気持ちで始めたのだけれど、ここで予想もしなかった壁にぶつかってしまう。
「とじ・はぎ」が苦手: 最後にパーツを縫い合わせる作業が、どうしても苦行に感じてしまう。
トップダウンという選択: それなら「とじ・はぎ」がないものを選べばいい。首元から編み始めて、そのまま裾までノンストップで編める「みんなのセーター(マルチ)」のキットを選んだ。
棒針の「楽さ」を実感: 3ヶ月かけてセーターを編んでみて気づいたのは、かぎ針よりも身体への負担が少ないこと。編み地の重さが左右の針やコード、そして膝の上に分散されるから、肩が驚くほど軽い。
バリエーションの広がり: ウェアから小物まで、棒針ができるようになると作れるものの幅が広がった。
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| すくいとじむずい……ガッタガタや |
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| はじめてのセーター |
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原ウール Knitworm Chatea 編み物キット みんなのセーターマルチ (10.Moon black) 新品価格 |
仕事が忙しくて途中で休憩もしたけれど、完成まで3か月。
もし集中して編んだなら、1ヶ月で編めたかもしれません。
棒針編み楽しい
セーターを編み上げた今、改めて思うのは「棒針は決して難しくない」ということ。
「待っていてくれる」安心感: かぎ針編みは、複雑な編み地になると「次はどこの隙間に針を入れたらいいの?」と迷子になることがよくある。けれど、棒針は違う。常に左の針の上に、次に編むべき目が整然と並んで待っていてくれる。行き先が常に「予約」されているような安心感は、棒針ならではの魅力。
かぎ針で挫折した人こそ、棒針を: 「どこに針を入れたらいいかわからない」という理由でかぎ針を投げ出しちゃった人も、棒針なら意外といけるパターンがあるのでは。それくらい、棒針は視覚的に「次の一手」が明確だ。
身体への負担が少ない: 3ヶ月かけてセーターを編んでみて気づいたのは、かぎ針よりも身体への負担がずっと少ないこと。編み地の重さが左右の針やコード、そして膝の上に分散されるから、大きなものを編んでいても肩が驚くほど軽い。
棒針は、暮らしを編むための優しい道具
セーターを編み上げて、最近夫やルイのためにスヌードを編んだ。
一度構造を理解してしまえば、小物は驚くほどサクサクと、心地よいリズムで編めるようになった。
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| 夫とルイへおそろいのスヌード |
スヌードはゆむやむさんのYouTube動画を参考に編みました。
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| ルイのイケメン度も心なしか上がっているような…… |
棒針は、針が2本あって難しそうに見えるだけ。
実際は、次に編むべき目が常に針の上で待っていてくれる、とても理にかなった、迷子の出にくい世界だった。
今はまだ「とじ・はぎ」を避けて通っているけれど、いつまでもこのままではないつもりだ。
そのうちあえて「とじ・はぎ」のあるハンドウォーマーなんかにも挑戦して、あの苦手意識を克服したいと思っている。
何度も全部ほどいては、一からやり直したあの日々。
その時間は無駄ではなくて、今のわたしの指先に、確かな感覚として残っている。
その手応えを感じながら、わたしは今日も、静かに針を動かしている。











