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| 画像生成:Gemini |
心に引っかかっていた「編む編む詐欺」の記憶
最近、自分用にはじめてのセーターを編み上げた。
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その達成感の影で、ずっと心に引っかかっていたことがある。
夫に「色違いを編むね」と約束してから、全然編めていないことだ。
正直に言えば、また同じものを編むのはなんだか嫌で、今は違うものが編みたい。
「あぁ、今日も編めていない……」
自分の中で勝手に「編む編む詐欺」を働いているような罪悪感が、じわじわと積み重なっていた。
罪悪感を「善行」にすり替えて
そんなとき、毎朝仕事に出かける夫の後ろ姿を見ていて、ふと思った。
夫がずっと使っているスヌード、もう随分と年季が入っているな。
若い頃から使っているから、今の夫には少しデザインが合わなくなっているような気もした。
「うん。今の夫にはセーターよりもスヌードが必要な気がする」
そうして「わたし」は、少しでも「編む編む詐欺」の罪悪感を減らすために、なにやら善行を働いているような感じでスヌードを編むことにした。
100均にはなかった「お目当て」
まずは100均の糸で手軽に……なんて思っていたけれど、世の中は空前の編み物ブーム。
何軒はしごしても、お目当ての毛糸はどこにもなかった。
中には棚がほぼすかすか、なんてお店も。
すごいな編み物ブーム。
しょんぼりしている「わたし」を見かねたのか、夫が「じゃあ、手芸屋さんに行ってみよう」と神様のような提案をしてくれた。
しかも、毛糸も買ってくれるという。
なんだってー!?
夫が選んだ「本気の毛糸」と、その代償
せっかく夫のために編むのだから、今回は夫自身に毛糸を選んでもらうことにした。
棚の前であれこれ悩みながら、彼が選んだのは、深いブルーとグレーの質感が素敵な「アメリー」と「自然のつむぎ」。
今の彼にとてもしっくり馴染みそうな、落ち着いたいい色だと思う。
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| 夫が選んだ毛糸。なかなかいいんじゃないか? |
意気揚々とレジへ向かったけれど、合計金額(3,086円)を見た夫の顔が凍りついた。
「……これ、普通に既製品のスヌード買えちゃうじゃん」
その通り。
でも、これからは今の夫にぴったりの「新しさ」を編み込んでいくのだ。
それに、世界に一つだけのオートクチュール(大袈裟)が3,000円ちょっとで買えちゃうなんて、安いものじゃないか?
……そんなふうに思ってしまう自分は、すっかり編み物中毒者になったな。
目の前にあるのに、編めない夜
ようやくお気に入りの糸を手に入れて、ホクホクしながら家に帰ってきた。
いざ編み始めようと道具を広げた瞬間、壁にぶつかった。
「……あ、輪針のコードの長さが足りない」
正確には、40cmのコードはあるけれど、今回使用する針の号数に合うコードだけが、手元になかった。
よりによって、今使いたいこれだけがない。
慌ててネットで注文したけれど、届くまでお預けだ。
夫に買ってもらった糸を前に、やる気だけが空回りしている、そんな静かな夜。
安西先生、編み物がしたいです。

