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止まっていた「冬」が動き出す。まずは無料体験から始めた再入国
前回の記事で、スマホの分割払いが終わるタイミングでU-NEXTへ加入することを検討していたと書いたけれど、「31日間無料体験」から始めてみることにした。
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もちろん加入するつもり満々なのだけど、こんなありがたいサービス、使わない手はない。
まずはこの賢い特典を使って、数年ぶりにあの冷たい空気の中へ足を踏み入れることにした。
真っ先に再生したのは、もちろん『ゲーム・オブ・スローンズ(以下、GOT)』。
数年前、アマプラで最終章を前に足止めを食らっていたわたしだけれど、今回はあえて、初見の夫と一緒にシーズン1の第1話から観直すことに決めた。
かつて一人で、震えるように観ていたあの世界。
今は夫婦で1日1話ずつ、大切に紐解いている。
【解説】ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)が「海外ドラマの金字塔」と呼ばれる理由
ここで少しだけ、この物語について触れておこう。
GOTは、広大なウェスタロス大陸にある「鉄の玉座」を巡り、複数の名家が策略と裏切り、そして剣を交えて争う壮大な群像劇だ。
特筆すべきは、その圧倒的なスケール。
「これ、本当にドラマなの?」と絶句するほど制作費がかかっていて、もはや毎話が超大作映画を観ているようなクオリティなのだ。
徹底的に作り込まれた衣装やセット、息を呑むような大自然のロケ地。
そこに人間たちの生々しいエゴや愛憎が重なり合って、独特の密度が生まれている。
今、このGOTを全シーズン見放題で楽しめるのはU-NEXTだけ。
この膨大な物語のすべてを、自分のペースで追いかけられる環境が整っているのは、ファンにとっても、これから足を踏み入れる人にとっても、やはりありがたい。
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弱さを「鎧」に変える。ティリオンが教えてくれたこと
今回、改めて第1話を観ていて、やはりわたしの心に鋭く突き刺さった言葉がある。
ティリオン・ラニスター(小鬼のインプ)が、己の出自に悩むジョン・スノウにかけた言葉だ。
「立場を忘れるな。世間は忘れないが鎧として纏えば弱点にならない」
この一文に触れた瞬間、思考が止まるような感覚になった。
病を得た今の自分。
どうしても「弱み」や「欠陥」のように感じてしまう部分を、隠そうとするから突かれたときに痛む。
でも、自分から「これが今のわたしだ」と引き受けて、それを鎧として纏ってしまえば、それはもう自分を傷つける刃にはならない。
この言葉は、今のわたしにとって、単なるドラマの台詞以上の「生きるための指針」のように響いた。
このドラマは、とにかくこういう「ぐっとくる台詞」が多い。
ただのファンタジーの枠を超えて、心の琴線に響く言葉が、あちこちに散りばめられている。
相関図で迷子にならないために。GOTを挫折せずに完走する「3つのコツ」
しかしながら、「面白いとは聞くけれど、登場人物が多すぎて脱落した」という声をよく聞く。
二度目の旅をしているわたしが、これから観る人に伝えたいコツをまとめてみた。
1. まずは黙って「シーズン1」を観てほしい
最初は誰がどの国の人間なのか、歴史的背景はどうなっているのか、さっぱり分からないと思う。
けれど、それでいい。
最初はみんなそうだから。
とにかく黙ってシーズン1を完走してみてほしい。
最初は霧の中を歩いているようでも、観ているうちに少しずつ、驚くほど物語の中に引き込まれていく自分に気づくはずだ。
2. とにかく「推し」を見つけること
GOTには、数え切れないほどの人間が登場する。
わたしの場合、まずは知性で生き抜くティリオンに強く惹かれたけれど、物語が進むにつれて「推し」はどんどん増えていった。
騎士道精神にあふれるブライエニー、不器用な忠誠心のジョラー、実直なダヴォス。
それに、ハウンドだって、観ているうちにどうしようもなく好きになってしまった。
そうして一人の「推し」ができると、その周辺の人間関係や歴史が芋づる式に気になり始める。
気づけば、個人が運営している熱量の高い人物解説サイトを夜な夜な読み漁っていた。
「点」だった知識が「線」になる瞬間が、必ずやってくる。
そうなればもう、この迷宮から抜け出すのは難しい。
3. 「解説者」という名のガイドをつける(または誰かと観る)
今回、わたしは夫に解説しながら観ている。
一人で抱えきれないほどの壮大な歴史も、誰かと共有して語り合うことで、バラバラだったピースが面白いように噛み合っていく。
「あいつが怪しい」「今の伏線じゃない?」と言い合いながら観る時間は、最高のエンタメになる。
複雑な「群像劇」という名の迷宮を歩く
最新作の『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』から入ってウェスタロスの歴史に興味を持った人も。
『ハウス・オブ・ドラゴン』の濃厚な人間ドラマから、その後の世界を知りたくなった人も。
一人の英雄が世界を変えるのではなく、それぞれが自分の「鎧」を纏い、もがきながら歴史を作っていくこの物語は、いつだって、誰がどこから足を踏み入れても、相応の重みで応えてくれるはずだ。
夫に解説しながら観る時間は、かつての寂しさも全部ひっくるめて上書きしてくれるような、温かな儀式のよう。
止まっていたわたしの「冬」は、夫の驚く顔や、登場人物たちの鋭い言葉とともに、ゆっくりと、熱を持って動き出している。
【おまけ】英語講師を絶句させた、かつてのわたしの「無謀な野望」
最後に、ふと思い出すエピソードをひとつ。
かつて英語のマンツーマンレッスンを受けていた時、ネイティブの講師に「GOTを字幕なしで観たい」と言ったら、「えっ?あれを……!?ひええ」と、ドン引きされたことがある。
後から知ったが、GOTの英語は古風な言い回しや各地の「訛り」が激しく、ネイティブにとっても至難の業らしい。
日本でいえば、外国人が「時代劇を字幕なしの原文で理解したい」と言うようなものだったのだ。
結局、わたしの英語学習はあえなく脱落してしまったけれど、今日も元気に「日本語字幕」という名の最強の鎧を纏い、わたしはウェスタロスの旅を続けている。

