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▶ うちの猫がてんかんになった #6|失禁を伴う発作、フェノバルビタールへの切り替え
※この記事は、うちの猫がてんかんを発症した当時に日記として書き残していたものを、ブログ用に少しだけ書き直した記録です。
これまでのルイは、1日2回だったジアゼパムを1日3回に増やして、てんかんがもたらす「脳の嵐」に備えていた。
けれど、薬の回数を増やしてから25日目。
初めての失禁を伴う激しい発作が起きた。
そこから雪崩のように頻発し始めた発作の波。
「なんとか今の苦しい状態から、ルイを救ってあげたい」
わたしたちは、新しい治療へ踏み出す決心を固めた。
追加されたのは、フェノバルビタール。
朝・昼・晩のジアゼパムに加え、朝晩2回の新しい習慣が始まった。
「いい方向に向かうといいな」
消えた発作と、真っ赤な肌
新しくフェノバルビタールを追加してから2週間。
頻発していたルイの発作は、嘘のようにピタッと止まった。
恐ろしかったてんかんの嵐が去り、ようやく穏やかな日常が戻ってきたと思っていた。
けれど、ふとした瞬間に目に入ったルイの右耳の後ろ。
ぽっかりと穴が開いたように、ごっそりとはげていることに気づいた。
指先でそっとあたりの毛をかきわけると、現れたのは真っ赤に腫れ上がった肌。
自分自身を傷つけるほど激しく、必死にかきむしったのだろう。
生々しく血が滲んでいて、見るからに痛々しい箇所もある。
さらに全身をくまなく確認した。
すると、頭頂部も耳の後ろと同様、激しいかきむしりにより赤く滲んでいた。
耳の中は、熱を持ったように真っ赤だ。
口の周りも普段より赤みを帯びている。
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| 日向ぼっこしてるルイを撫でようとしたら、なんかはげが出来てる…… |
やっと嵐が過ぎ去ったと思ったのに。
発作が止まった喜びは、瞬く間に新しい、出口の見えない不安へと塗り替えられてしまった。
犯人は薬?それとも……
慌てて病院へ駆け込み、先生にルイの姿を見せる。
先生は手際よくルイの耳の中を調べたけれど、細菌検査の結果は陰性だった。
となると、アレルギーが疑われる。
けれど、食事の内容を最近変えたということもない。
消去法でどうしても浮かび上がってきてしまうのは、やはり新しく追加した「薬」の影響だ。
てんかんの発作を止めるために飲み始めたものが、別の苦しみを生んでいるのかもしれない……。
その可能性に、胸がざわつく。
「アレルギーの検査はできないんですか?」
わたしの問いに、先生は「猫のアレルギー検査は精度が低く、費用もかかる。今は薬で様子を見るのがルイくんの負担も少ない」と教えてくれた。
今は原因を特定することに躍起になるより、ルイのこの「かゆみ」を止めてあげることが先決だ。
新しく、アレルギー症状を抑える「アポキル」というお薬が処方された。
わたしの提案、夫の手仕事
病院から戻り、すぐにアポキルを飲ませた。
けれど、薬は魔法じゃない。
飲んですぐにかゆみが消えるわけではなく(そもそもアレルギーじゃなかったら効かないかも、という不安もある)、ルイは相変わらず後ろ脚で患部を必死にけりけりしている。
「ああ、ルイ、だめだよ」
そ言ってルイを制するたび、わたしの心はちりちりと焦った。
かきむしり防止のため、エリザベスカラーが必要だ。
けれど、あいにく家にはない。
病院で借りてこればよかった。
自分のうっかりを呪いながら、急いでAmazonでポチる。
けれど、届くのは明日。
どうしたものかと家の中を見渡す。
そこでふと、視線が止まったのは、山積みの「不織布マスク」だった。
「ねえ、これでなんとかできないかな?」
わたしの提案に、夫が動いた。
器用にハサミを使い、ルイの耳が通るよう、マスクに絶妙な位置で切り込みを入れる。
紐の長さをルイの頭に合わせて調節して結び、そっと頭に被せた。
耳だけがぴょこんと出た状態で、真っ白なマスクに頭を包まれたルイは、戸惑うというよりは、ただ一言「解せぬ」と言わんばかりの表情で固まっていた。
そのあまりにシュールな姿に、思わず顔がほころんでしまった。
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| 「解せぬ」 |
しかし、この手作りカラーは意外なほどに優秀だった。
急場しのぎの工作だったにもかかわらず、ルイが朝まで一度も外すことはなかったのだ。
ルイ本人が、何かを察したようにあまり動かなかったのもあるかもしれないけれど。
おかげで、ルイはそれ以上自分を傷つけることなく、無事に夜を越すことができた。
猫のエリザベスカラーがない!不織布マスクで代用した手順
病院やお店が開いていない夜、急なかゆみやかきむしりでエリザベスカラーが必要になった時の応急処置。
家にあるもので自作した手順をメモしておく。
マスクに耳を通す穴を開ける(T字にカット) マスクをしっかり頭に固定するために耳の位置を合わせてカットする。このとき、ただの穴ではなく「T字」に切り込みを入れるのがポイント。これで耳がぴょこんと出しやすくなり、安定感が増す。
ゴムの長さを猫の顔に合わせて調整する 片方のゴムだけを切り、切っていない方のゴムの輪の中に通す。そのあと、切った端同士を猫の顔のサイズに合わせて結ぶ。
装着して、首が絞まっていないか確認する 最後に、苦しくないか、指がスッと入る隙間があるかを必ずチェックする。
※注意点: あくまで本物が手に入るまでの代用案です。ルイのように「解せぬ」と固まってあまり動かない子なら朝まで持ちますが、嫌がる場合は無理をさせず、目を離さないようにしてあげてください。
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| こんな時に不謹慎だけど……可愛い |
爆速の神と、ポン・デ・リングの化身
翌日。
わたしたちの祈りが通じたのか、あんなに真っ赤だったルイの皮膚から、少しずつ赤みが引いていった。
どうやら薬が効いてくれたみたいだ。
そして、注文していたエリザベスカラーが届いた。
注文した翌日にはもう手元にある。
さすが、爆速の神アマゾン。
さっそくカラーをルイに装着してみる。
クッション性のある柔らかいタイプを選んだのだけれど、いざ着けてみると、グレーの毛並みに首周りのふっくらした形……。
どこかで見覚えのあるその姿に、思わず声が出た。
「……ポン・デ・リングの化身(ポン・デ・ライオン)だ」
そこには、ドーナツの輪っかをはめたような、なんとも愛くるしいルイが座っていた。
マスク姿から一転、少しだけ快適そうなポン・デ・ルイ。
さっそくカラーを枕代わりにして使いこなしている姿を見て、逞しさを感じた。
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| まんざらでもないご様子のルイ |
発作は止まった。
けれど、今度はかゆみとの戦い。
薬を止めたらどうなるんだろう?
一筋縄ではいかない日々は、まだまだ続いていく。
今回の診察メモ
お薬:
ジアゼパム(朝昼晩1日3回)
フェノバルビタール(朝晩2回)
アポキル(朝晩2回)NEW
体調の変化:
フェノバルビタール追加後、発作はゼロ。
アポキル服用翌日から皮膚の赤みが徐々に改善。
新たなトラブル:
右耳の後ろ: ごっそりと脱毛し、肌が真っ赤に腫れ上がっている。生々しく血が滲むほどのかきむしり跡。
頭頂部: 耳の後ろ同様、かきむしりにより赤く滲んでいる。
耳の中: 熱を持ったように真っ赤。
口の周り: 普段より赤みを帯びている。
診察結果:
耳の細菌検査は陰性。食事の変化もなし。薬の影響またはアレルギーの可能性。アレルギー検査はせず、薬での経過観察を選択。




