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▶ うちの猫がてんかんになった #5|毎日の投薬。自由をくれた給餌器
※この記事は、うちの猫がてんかんを発症した当時に日記として書き残していたものを、ブログ用に少しだけ書き直した記録です。
止まない嵐と、新しい処方箋
前回、ジアゼパムの回数を1日2回から3回に増やした。
血液の中に溶け込んだ薬の濃度がふっと下がる、その一瞬の隙を突いて「脳の嵐」がやってくるのかもしれない。
そんな仮説に基づいた判断だった。
それまでのルイの発作の頻度を振り返ると、
前回病院へ行ってから、わずか5日後に全身発作。
それから2週間後の朝、また激しい波がルイを襲う。
その夜には顔まわりをガチガチと震わせる軽めの発作。
さらに10日後の朝にも。
嵐の間隔はあまりに短く、予測不能だった。
24日目の凪、25日目の暗転
薬の回数を増やしてからは、驚くほど順調に発作が起きずに過ごせていた。
服薬タイミングを変えてから24日目。
わたしたちは久しぶりに夫婦で舞台を観に出かけた。
自動給餌器の力も借りて、ルイはお留守番中もきちんと薬を飲むことができた。
「このまま発作が起きなければ、たまにはこうしてお出かけしたいね」
夫とそんな話をした、翌日の早朝だった。
服薬タイミングを変えて25日目。
静寂を切り裂くように発作が起きた。
全身をぶるぶるふるわせ、口からはつららのようなよだれが垂れているいつもの発作。
けれど今回は、じめての失禁を伴っていた。
おしっこがリビングのバーチカルブラインドにべっちゃり。
ルイがすぐにカーテンをボロボロにしちゃうから、家を建てるときに「これなら1枚ずつ交換できるし」と選んだバーチカルブラインド。
まさか、汚れを洗うという形でもこんなに助けられるなんて。
あの時の選択は大正解だったな、なんてこんな時に改めて思ったりした。
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| ルイもお気に入りなバーチカルブラインド |
さらにルーバーを一枚ずつ手洗いしながら、わたしは考えていた。
失禁は、たまたま排泄のタイミングで発作が起きたなのか。
それとも、症状が重くなっているのか。
昨日丸一日お留守番させたのがいけなかったのか。
慣れない自動給餌器、わたしたちがいない時間。
それがストレスになってしまった?
答えのない問いが、ぐるぐると頭の中を駆け巡る。
発作の間隔はたしかに長くなった。
けれど、これは「良くなってきている」という許容範囲なのだろうか。
違う気がする。
遠のく光、ルイの背中
その後の経過は、わたしの不安を裏打ちするように続いていく。
さらに9日後
さらに11日後
さらに2日後
「うーん、これは、良くなっていないぞ」
認めざるを得ない現実が、目の前に横たわっている。
重い足取りで再び夫と動物病院の扉を叩き、先生にすべてを打ち明けた。
そこで決まったのは、新しい薬の追加。
「フェノバルビタール」という、猫のてんかん治療ではスタンダードな選択だ。
けれどこの薬、今までのジアゼパムに比べると、肝臓への副作用が出やすいという側面も持っている。
実は最初から選択肢にはあったのだが、ルイの体への負担を考え、先生もわたしたちも二の足を踏んでいた。
まずは、より穏やかなジアゼパムから、と。
「副作用」という言葉に、わたしの心はまだ揺れていた。
けれど先生は、わたしたちの不安を見透かしたように丁寧に説明してくれた。
「もし定期的な検査で肝臓の数値に変化が出たとしても、早期に見つけて薬を調整すれば、肝機能はちゃんと回復します。どんどん悪化し続けるようなものではないから、安心してくださいね。もし必要になれば、肝臓を保護するお薬を併用していく方法もありますから」
その言葉を聞いて、迷いは消えた。
「副作用を恐れて今の苦しい状態を長引かせるより、しっかり管理しながら、ルイの嵐を止めてあげたい。もし何かあっても、先生が次の手を打ってくれる」
納得して、新しい治療へ進む決心がついた。
揺るぎない足取りに、背中を押されて
大きな決断をして帰宅後。
キャリーからルイを出し、その姿をぼんやりと見つめる。
ここ最近のルイは、副作用の影響なのだろうか、 少しだけ足取りがおぼつかなくなっている。
それでも彼は黙って薬を飲み、何一つ文句も言わずに、ただそこにいてくれる。
ふらつきながらも懸命に生きる彼の小さな背中を見ていると、わたしの心の曇りも少しずつ溶けていくのを感じた。
「ルイが頑張っているんだから、わたしも一緒に頑張らなきゃ」
ルイの足取りに、わたしは確かに背中を押されていた。
そんなことはつゆ知らず、ルイは新たな薬を飲む。
フェノバルビタール。
朝晩2回。
今度こそ、いい方向に向かうといいな。
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| いつも見守っているからね。 |
今回の診察メモ
お薬:
ジアゼパム(朝昼晩1日3回)+フェノバルビタール(朝晩2回)NEW
発作の頻度:
服薬タイミング変更後、25日目に発作(失禁を伴う)。
その後、9日後、11日後、2日後と頻発。
副作用:
足取りがおぼつかない、ふらつき、
ちょっとした高さでも一度で飛び乗れないことがある。
先生のアドバイス:
ジアゼパムにフェノバルビタールを追加して様子を見る。この薬は肝障害の副作用が出ることがあるため、今後は定期的な血液検査が必要。
ただし、もし数値に変化が出ても、早期に発見して薬を調整すれば肝機能は回復するので、過度に恐れる必要はないとのこと。
肝臓を保護する薬を併用するなどの選択肢もあるという具体的な説明もあり、納得して追加を決断。
わたしがあまりにも思いつめた顔をしていたからか、先生からは「まだ打つ手はある」という心強い言葉も。
※ このブログは、ルイとわたしの個人的な歩みを綴ったものです。
猫ちゃんの体質や状況は一匹一匹違います。
治療法やお薬については、この記事を一つの「体験談」として受け止めていただいた上で、必ず信頼できる獣医師さんとお話しして決めてくださいね。
ルイとわたしたちが選んだ道が、どこかの誰かの小さなヒントになれば嬉しいけれど、それぞれの猫ちゃんにとっての正解は、ぜひ専門家の先生と一緒に見つけてあげてください。
ルイとの暮らしのことは、こちらにまとめています。
シャルトリューのルイと暮らす毎日|記事まとめ


