198円の境界線
お風呂あがり、夫と並んでダノンビオを食べる。
それが、わたしたち夫婦の静かな夜のルーティン。
毎日食べるものだからこそ、買い出しでは「底値」をめぐる、ちょっとした、けれど真剣な戦いが繰り広げられる。
ダノンビオを買ううえで、わたしのなかには揺るぎないルールがある。
「ダノンビオは税抜168円〜198円なら買い。200円を超えたら、その店では買わない」
正直に言うと、198円のときは「ぐぬぬ……」と心の中で呻きながらカゴに入れている。
たかが数十円の差。
でも、そのこだわりが、わたしの生活を自分の手でコントロールしている実感を与えてくれる。
税抜220円の絶望と、138円の救済
今日、初めて立ち寄ったスーパーでのこと。
ダノンビオの棚を覗き込んで、思わずのけぞりそうになった。
「税抜220円」
今まで見たこともないような、強気な数字。
わたしのボーダーラインである198円を、軽々と超えてきた。
「なんじゃこの店……」
不機嫌な気持ちが首をもたげ、踵を返そうとしたその時だった。
振り向いた先のワゴンに、ダノンビオ(トロピカルマンゴー&パイン 味)がいた。
お値段「税抜127円」
**「現品限り」**の文字。
目を疑った。
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| 買いも買ったり! |
プレーンやアロエに比べて少しレアで、安売りされているところなんて一度も見たことがないマンゴー味。
それがわたしの底値ラインを遥かに下回って、ワゴンの中で「現品限り」の光を放ちながら、ポツンとそこにいた。
220円という絶望のすぐ隣に、127円の救済。
買い物をしていると、ときどきこういうドラマチックな落差があるから面白い。
さっきまでの不機嫌はどこへやら、わたしの心は宝物を見つけた子供みたいに跳ねた。
豊かな「みみっちさ」
ちなみに、ダノンビオはネットだとありえないくらい高い。
お店の倍以上の価格のものもざらだ。
買いに行く手間が省ける便利さはあるけれど、わたしはこれからも、自分の足で手に入れるスタイルでいこうと思う。
たかだかダノンビオの1つや2つで 「みみっちい」 自分でもそう思う。
でも好きなんだもの、お得に買うのが。
スーパー巡りも楽しい。
それに、そういう小さなお金の扱い方が、めぐりめぐって、家や車の購入(いずれもキャッシュで購入)といった大きな決断をするときに、ちゃんと自分たちを助けてくれた。
「安く買う」ということは、自分の手元に残るお金を、自分の意志でコントロールするということ。
そうして日々少しずつ浮かせたお金を、貯蓄や投資という形で未来に回し続けてきたことが、いざという時の大きな「買える力」に変わったのだ。
目の前の数十円を疎かにしないことが、結局は自分たちの暮らしを支える大きな土台になる。
今夜、お風呂あがりに夫と「これ、現品限りで127円だったんだよ!」と報告しながら食べるデザートは、きっと値段以上の味がするはずだ。
たとえ、この先ひょんなことから大金が手に入ったとしても(今のところ全く予定はないけれど)、わたしはきっと、この127円の輝きをちゃんと見つけられる人間でありたいと思う。

