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| 画像生成:Gemini |
キッチンに漂う甘い香りと、
脳内に響く電卓の音。
憧れの「丁寧な暮らし」を手作りジャムで真似してみたら、
いつのまにかガチの原価計算が始まっていた。
元経理・現オンライン秘書の私が、
数字で導き出した「納得」のジャム作り。
丁寧な暮らしのふりをして、脳内で電卓を叩く。
「丁寧な暮らし」という言葉を聞くたび、
私は少しだけ苦い気持ちになる。
自家製菜園の野菜で料理をしたり、
季節の花を飾ったり、
余白のある生活。
そういう暮らしに憧れて、
何度か真似してみたこともある。
けれど、どれも続かなかった。
私には眩しすぎて、どこか現実味がないのだ。
けれど今日、
ふとしたきっかけで、「丁寧な暮らし」っぽいことをしてみた。
りんごジャムを手作りしたのだ。
理由は、
りんごを大量にもらったとか、
安かったとかではない。
とにかく、
ジャムの減りが異常に早かったのだ。
夫婦2人暮らしなのに、
市販のジャムの瓶が1週間もしないうちに空になる。
犯人はわかっている。
夫だ。
彼はトーストにジャムを「塗る」というより「盛る」。
白い部分が残ることを許さない勢いで、
これでもかというほど塗りたくる。
これでもかというほど塗りたくるその姿を眺めるたび、
私は心の中でハラハラしていた。
「これ、家計的にどうなんだろう」
「砂糖、ちょっと多すぎない?」
そうして違和感が積み重なった結果、
私は“手作りする”という選択肢にたどり着いた。
大きめのりんごを2個。
皮を剥き、
芯を取り、
いちょう切りにして、
砂糖を振って、
ことこと煮詰める。
キッチンに甘い匂いが広がって、
少しだけ心がゆるむ。
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| つまみ食いしたいのを必死でこらえる! |
「ん? なんか今、すごく丁寧な暮らしっぽいことしてない?」
ふと、そんな考えが頭をよぎった。
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| 弱めの中火で煮詰めていくぅ |
琥珀色のROI
けれど、それも一瞬のこと。
私の頭の中はすぐに別の方向で忙しくなった。
私はもともと経理の仕事をしていた。
今もオンライン秘書として、日々誰かの数字を整えて生きている。
だからだろうか。
こういう場面でも、
情緒より「数字」が脳内をしめる。
りんごを煮詰めながら、
頭の中で静かに原価計算が始まった。
りんご2個で396円。
砂糖で約20円。
レモンはおばあちゃんの家の庭産だから0円。
安い時間帯の電力を使い、
30分ほどIHを動かした電気代は約11円。
合計、427円。
できあがった琥珀色のジャムは、
200mlの耐熱ガラス容器だいたい2.5個分になった。
いつも買っているアオハタの250g瓶に換算すると、
およそ2.17本分に相当する。
公式サイトで調べたら、
1瓶の参考小売価格は税込470円だった。
2.17本分なら、1,020円。
つまり私は、
30分足らずの作業で、
600円近い節約をしたことになる。
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| 完成! |
キッチンに並んだジャムを眺めていると、
胸の奥から「ほくほく」とした気持ちが湧いてくる。
それは「甘さ控えめで体にいいものを作った」という満足感もあるけれど、
「この生活のROI(投資対効果)、ちゃんと合ってる」という、
経理職特有の納得に近い。
完璧に丁寧な暮らしなんて、
私にはきっと無理だ。
でも、
数字で裏打ちされた小さな成功を積み重ねて、
たまには自分の機嫌を取ってみる。
キッチンに漂う甘い香りの向こう側で、
脳内の電卓が「パチン」と音を立てて答えを出す。
その計算がぴたりと合ったとき、
何気ない日常が、
私にしか分からない特別な面白さに変わっていく。
明日、
夫がトーストにジャムをたっぷり載せるのを見るのが、
楽しみだ。
今回、
私の脳内電卓をパチンと鳴らせてくれた、
素晴らしいレシピはこちら。
工程がシンプルで、数字を整える合間にも作りやすい、お気に入りのレシピです。



