「データ入力・高時給」という求人を見て、
「これって釣り広告じゃないの?」と疑っている方へ。
10年の経理キャリアと大病を経て、
再出発の仕事を探していた私が実際に経験した
「派遣会社の巧妙な手口」と、
不誠実な求人を見抜くためのチェックリストを公開します。
結論から言うと、
違和感を感じたらその場所からは潔く離れるのが、
自分を守る唯一の方法です。
期待と、再出発の予感
10年ほど経理として働いてきたけれど、
数年前、
乳がんを患ったことをきっかけに一度キャリアに区切りをつけた。
治療が少し落ち着いて、
少しずつ社会に戻ろうとしたあの頃のわたしは、
まだどこか心も体も心許なくて、
あの数字に追われる決算の荒波にはもう戻れないと感じていた。
そんなとき、
とある派遣会社がネットで募集していた求人がすごく魅力的だった。
「データ入力」
「高時給」
「4時間からOK。マニュアル通りに入力するだけ」
「短期可」
当時のわたしにとって、
これ以上ないほど優しい止まり木のように思えた仕事内容・条件。
けれどその実態は、
ただの「つり広告」だった。
「あの枠は埋まりました」という、いつもの手口
意気揚々と応募して、
派遣会社の面談を受けた。
けれど、
担当者の口から出たのは、
期待していたものとは違う言葉。
「すみません、あちらはちょうど別の人に決まってしまったんです」
そして、
当たり前のような顔をして、
別の仕事を差し出された。
「代わりに、こちらのコールセンターはどうですか?」
一度は「タイミングが悪かったんだ」と自分に言い聞かせて、
その話は終わったはずだった。
けれど数ヶ月経った頃、
またその派遣会社から電話がかかってきた。
「以前応募いただいたデータ入力の求人、また募集が出たんですけどどうですか?」
淡い期待を抱いて応じると、
返ってきたのはデジャヴのようなあのセリフ。
「あ、すみません。さっき枠が埋まってしまって……。代わりに別部署のコールセンターならありますよ」
これが彼らのやり方なのだと、
そのとき気づいた。
人手不足でなかなか人が集まらないコールセンターへ誘導するために、
キラキラした「データ入力」をエサにして人を集めている。
その瞬間、
わたしの中で何かが冷めていくのがわかった。
その「好条件な仕事」は、
誰かを幸せにするためのものではなく、
ただ人を集めるためだけに用意された、
色のない張りぼてだったのだ。
わたしなりの「怪しさを見抜くチェックリスト」
もう二度と、
あんな空っぽの期待に自分の時間を使いたくない。
だからわたしは、
自分の中にこんな基準を作った。
このリストに一つでも当てはまったら、
わたしはもう、
その求人を候補から外す。
相場よりも明らかに時給が高い(地域の事務職より200〜300円高いなど)
仕事内容が「誰にでもできる」と強調されすぎている
ずっと掲載されている、または何度も再掲載されている
会社概要や勤務地が曖昧
応募した瞬間に「別の仕事(特にコールセンター)」を勧められる
当時のわたしは、
心のどこかで
「もしかしたら、本当にこんなに楽で良い仕事があるのかも」と、
淡い期待を捨てきれずにいた。
けれど、
その期待は結局、
派遣会社の「数字」として利用されるための隙になっていたのだと思う。
潔く断ち切ることで、見えてくるもの
結局、
その派遣会社の登録はすべて削除した。
不定期にかかってくる電話も、
迷わずブロックした。
自分の再出発という切実な思いを、
単なる「数」として扱われることに、
もう耐えられなかった。
外の空気に触れたくて、
実際にいくつかの会社へ通勤することも検討して応募したけれど、
いろいろな道を通って、
わたしは今の在宅ワークという形に辿り着いた。
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不自然なほど綺麗なものには、
どこか嘘が混じっている。
その違和感は大切にしたい。
わたしはあのとき、
潔く登録を消して、
電話をブロックした。
そうやって不誠実なつながりを断ち切った先に、
ようやく今の、
心から安心できる働き方が待っていた。
自分にとっての「正しい場所」は、
誰かの嘘をはねのけた先に、
ちゃんとあったのだ。
