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| 画像生成:Gemini |
自由すぎる寝相が教えてくれること
わが家には、
時折、不思議な光景が広がる。
それは、
愛猫ルイが見せる、
あまりにも自由で、
あまりにも大胆な「寝相」の数々だ。
ある時は重力を無視し、
ある時は人間のような哀愁を漂わせる。
その姿は、
単なる猫の休息というよりは、
一つの生き方の表現のようにも見える。
寝相ひとつで空気を変えてしまうルイを見ていると、
ふとこんなふうに感じることがある。
豪快に眠る、猫のおじさん
扉を開けると、
愛猫ルイではなく、
一匹の「おじさん」がリビングを占拠していることがある。
なかでも強烈だったのは、
大きなクッションに完全に身を預けて仰向けに転がっていた豪快な寝姿だ。
いつもの見慣れたリビングの風景の中で、
ルイだけが休日の父ちゃんのような、
形容しがたい哀愁を放っていた。
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| 思わず目を疑ったこの光景 |
思わず夫が「俺よりもおじさんしてる……」
と思わず呟いたほど。
そんなルイの寝姿に、
1年以上前、
スレッズで8,000人もの人が「いいね」をくれた。
数字はただの記憶に過ぎないけれど、
今見返してもやっぱり、
そこには多くの人の視線を釘付けした「おじさん」が横たわっている。
不自由さえも味方にする、豪胆さ
ルイの日常は、
いつだって小さなしあわせと、 大きなつっこみどころで溢れている。
例えば、
耳をかきむしらないようにつけたエリザベスカラー。
アレルギーで痒くなってしまった耳を守るためのものだけれど、
その原因はてんかんの薬の副作用なのか、
あるいは別の何かなのか、
今もまだはっきりとはわかっていない。
原因が特定できないもどかしさを抱えているのはわたしたち人間の方で、
当のルイはどこ吹く風。
不自由さに戸惑い、
外そうと躍起になるはずのその道具を、
彼はこともなげに「極上の枕」へと変えてしまった。
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| ルイくん、口の端から何か飛び出してるよ! |
しかも、
口元にはさっきまで食べていたキャベツの欠片をひとつつけて。
どんなに窮屈な状況にあっても、
自分の心地よさだけは絶対に手放さない。
そんなルイの姿を見ていると、
明日への不安とか、
誰かへの気兼ねとか、
そんなものは全部
キャベツと一緒にどこかへ置いてきてしまえばいいような気がしてくる。
境界線で眠る、スリルと安らぎのなかで
ルイの眠りへの情熱は、
時に重力さえも超えていく。
クッションの端っこで、
後ろ足が完全に空中に浮いていても、
本人はいたって真剣に夢の中だ。
「ギリギリでいつも生きていたいから」
そんな歌の一節が頭をよぎるけれど、
彼にとってそれは戦いではなく、
ただの「日常」の一コマ。
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| 寝れて……る? |
落ちるか落ちないかの境界線でさえ、
ルイにとっては安心して身を委ねられる寝床に変わる。
その危ういバランスのまま熟睡できる才能は、
もはや芸術の域だと思う。
ギャップのなかに宿る、不思議な美学
同じクッションの上で、
見事なセクシーポーズを決めてみせることがある。
スッと伸びた後ろ脚を前脚でクロス。
その曲線だけを見れば、
間違いなく猫界の菜々緒だ。
あるときは「菜々緒」、
あるときは「おじさん」。
めまいがするほどの剥離(かいり)。
同じ一匹の猫だとは信じがたいほどのギャップ。
それこそがルイという存在の不思議な魅力であり、
わたしがどうしても目を離せなくなる理由なのだ。
まどろみの午後、テレビの主導権を握ったまま
ひとしきり遊び終えたあとの、
光が差し込む昼下がり。
猫じゃらしを追いかけて大はしゃぎしていたはずのルイは、
気づけばテレビの主導権を握ったまま眠りに落ちている。
リモコンを器用に脚の下に敷いて、
まるで「もうチャンネルは変えさせないぞ」とでも言いたげな背中。
そのあまりにも堂々とした寝落ちっぷりは、
見ているこちらの肩の力まで抜いてくれる。
夫と二人で、
その無邪気な寝顔を邪魔しないように、
そっと音量を下げて静かな午後の時間を共有する。
ただそこにいて、寝ているだけで
思わずカメラのシャッターを切らずにはいられないような、
そんな滑稽で愛おしい姿を見せてくれるルイ。
でも、
そんな笑いに包まれた日々のすぐ隣には、
いつも消えない緊張感が寄り添っている。
ルイは、
特発性てんかんという、
原因不明の病気を抱えて生きている。
今は薬のおかげで穏やかな時間を過ごせているけれど、
いつ、
どんな拍子にその平穏が崩れてしまうかは、
誰にも予測できない。
けれど、
ルイの豪快すぎる寝相を見ていると、
そんな不安さえもどこか遠くへ追いやられてしまう。
体の自由が効かなくなる恐怖を、
彼は知っているはずなのに。
それでもこうして無防備に、
手足を投げ出して、
世界をこれっぽっちも疑わずに眠っている。
その姿は、
この部屋を流れる時間を、
驚くほど穏やかで力強いものに変えてくれる。
完璧じゃないから、
いい。
寝相が豪快すぎても、
口元に食べ残しがついていても、
猫なのに「人」が漏れ出していても。
ルイがそこにいて、
ただ、
自分の好きなように寝ている。
その無防備な寝相を見ているだけで、
しあわせだ。
その一見なんでもないような、
けれど奇跡のような光景が、
わたしたち家族にとっての、
かけがえのない日常の結晶なのだ。
ルイとの暮らしのことは、こちらにまとめています。
シャルトリューのルイと暮らす毎日|記事まとめ





